2021 01.26 10:04
パートナー情報
群馬県
研究者情報
下山 悠(指導教員: 谷口 守)
*「小さな小さな拠点」は構想段階で計画段階でない
本研究では、群馬県内の市町村における拠点計画について、独自に構築した拠点抽出アルゴリズム、及び判別分析を用いて、拠点の位置や拠点階層を様々な視点から整理・比較した。それと同時に、広域かつ統一的な観点から拠点計画を行うために必要な拠点抽出方法及び階層決定方法の提案をした。また、拠点計画とその実態の乖離をあきらかにし、今後の拠点見直しに際して必要となる視点を示唆した。
分析対象地域 | 群馬県全域 |
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データ | 市町村の拠点計画における将来都市構造図 施設データ 交通行動・道路データ 等 |
分析方法 | 拠点抽出アルゴリズムを利用した分析 判別分析やGISによる空間分析 など |
従来からの拠点計画において必要とされてきた施設集積の観点(C視点)からの計画拠点[S(C)]を抽出し、計画拠点[S(C)]の拠点階層を決めた(図5・6)計画拠点[S[C]]は、都市型拠点と非都市型拠点で異なる抽出方法を採用した(図5・6)
C視点だけではなく、近年の「コンパクト+ネットワーク政策」を踏まえ交通の需要と供給を考慮したC+Tの視点を想定した
計画拠点[S(C)]と同じ位置において、C視点とC+T視点のそれぞれの拠点階層を比較し、乖離について明らかにした
具体的な拠点階層ポテンシャルの式は下記の通り
計画拠点[P]内の施設立地と拠点階層に関する判別分析を行うと、計画上は都市型拠点でも、小さな拠点レベルの拠点が計画拠点[P]における小さな拠点の2倍以上存在したり、小さな拠点未満レベルのものが上位階層にも複数存在したりするなど、拠点階層に関する計画と実態の間に乖離が生じていることが明らかになった(図7)
国土交通省ウェブサイト: 立地適正化計画作成の手引き、http://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_ city_plan_tk_000035.html (最終閲覧2019.5)
首相官邸ウェブサイト: まち・ひと・しごと創生本部小さな拠点の形成、https://www.kantei.go.jp/jp/ singi/sousei/about/chiisanakyoten/(最終閲覧2019.5)
山根 優生・森本 瑛士・谷口 守(2017): 「小さな拠点」拠点が有する多義性と「コンパクト+ネットワーク」政策がもたらすパラドクス,土木学会論文集D3,Vol.73,No.5,pp.I_389-I_398.
山根優生・谷口守: 小さな拠点の客観的選定による農村部の地域構造分析-“モノ”と“コト”に配慮した指標の提案と試行-、農村計画学会誌、36巻、pp.304-310,2017.
国土交通省ウェブサイト: 「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」、http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk3_000043.html(最終閲覧2019.5)
この記事は、下記の論文を要約したものです
下山 悠(2020)広域的な観点からみた拠点階層設定の検討-計画と実態の乖離に着目して-、 2019年度 筑波大学 大学院 博士課程システム 情報工学研究科 修士論文.